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ジャジャジャジャ―――――――ン!!!
皆さんご存じ、ゆいさんの「最後の恋をした」が、
5万HITした御礼に、リクエスト小説してくださいました―――!!!
もちろん、こんな貴重な機会逃すはずもなく(ずーずーしい)
リクエストしに行きました・・・!!!
「ゼルアメ+ミワン」を・・・!!!
その頃、ミワンについて本気出して考えていた時期だったため、
届いた作品に悶えましたとももう!!
恐らくもうゆいさん宅でご覧の方も多いと思いますが、
私は是非ここでも自慢したいのですwww
つづきからゆいさん小説が見れますよ―――!!!
ゆいさん、本当にありがとうございました!!!
私信:群青空様へ
メール返信したのですが、なんだか戻ってきてしまい・・・;;;;
拍手にお返事したのですが、届いてますでしょうか・・・?;;;
やっぱりヤフーとホットの相性悪いんですかね・・・?;;;;
大変お手数かもしれませんが、返信お待ちしております!!
メールより・・・拍手からの方が、確実なのかな?;と思われます;;;
resemble
見たことがある後ろ姿が一瞬視界を掠めた。
一瞬気のせいかとも思ったけれど、振り返った後ろ姿は確かに見たことのある人だった。
「ルルさん!?」
ほんの少し低い、だが可愛らしい声で男の名を呼ぶのは、かつてクレアバイブルを探して訪れた男子禁制の国で出会ったミワンだ。
「ミワン!?」
「みなさまも、お久しぶりです。その節は大変お世話になりました」
男子禁制の国の女王の子として生を受け、本当の性別を偽らざるを得なかったとはいえ、深々と頭を下げるお淑やかな様はやはりとても男とは思えない。
「フェミール王国は確か男子禁制ではなくなったと風の噂でお聞きしましたが、今もその姿ままということはミワンさんはまだ巫女の修行をされているのですか?」
長いスカートを纏ったままのミワンの姿に首を傾げるアメリアにミワンはふわりと笑った。
「あの一件以来お母様も好きに生きていいと言ってくださったのですが、私も性別を偽るのが辛かったわけであって巫女になることが辛かったわけではないので、一度志したことですし最後まで全うしようと思った次第です」
はっきりと現状を述べる姿に、以前のような迷いはもうない。
「この姿でいるには元のままでは巫女として見栄えがよくないというだけの理由であって、皆に公言してから後は心持ち自体が全く違い晴れやかな気持なんです。本当にこんな風になれたのはみなさまのお力添えがあったからです」
力強く前を見据える姿は誰の目からも美しく輝き、ミワンを見つめるゼルガディスを見て、アメリアは表情を曇らせる。
「そういえばフェミール王国はこの辺りだったな。今から国へ帰るのか?」
「いえ、母の言いつけで二つ先の街まで魔道書を受け取りに行くんです」
「だったら一緒に行くか?」
珍しく自ら会話を続けるゼルガディスアメリアは胸が痛んだ。
ギュッとマントの下で握りしめる手に自然と力がこもる。
「そうね。どっちにしろ同じ方向に向かうんだし」
リナとガウリイもゼルガディスの提案に同意し、そもそもそれを拒絶する理由などないのだからとアメリアも必死に微笑みながら頷いた。嬉しそうにはしゃぐミワンを切なく見つめながら。
いつだってゼルガディスはミワンにだけは優しかった。
最初に出会ったときから、ずっと。
ミワンのために街を走り、ミワンのために戦い、そしてミワンの嘘に傷ついた。
そんなゼルガディスを見てあの時はなぜか無性にイライラしただけだったけれど、今ならその理由が痛いほどわかる。
アメリアは誰にも気づかれないようため息をついた。
あれは、ゼルガディスの気持ちが自分以外に向けられたことによる嫉妬だった。
あの時からアメリアはゼルガディスに惹かれていた。まだその時は自覚はしていなかったけれど。
前方をゼルガディスをミワンが並んで歩いている。
そこにいるのはいつもアメリアだったのに。
少しずつ築いてきたと思っていたものは所詮砂上の楼閣で、ただ夢を見ていただけだったのだ。
アメリアがゼルガディスを想うように、彼もまた自分を少しは想ってくれていると思っていたが、ミワンといる彼を見ると、それはただの思いこみだったことを思い知る。
滅多にアメリアに見せることのない笑みも、ミワンには惜しみなく与えているのを見ると、ただただ切なくて息ができなくなる。
それでも、それを責める資格などアメリアにはあるはずもなく、できることはただ耐えるだけだった。
それがどれほど辛くても、そうするしかなかった。
「あの、ゼルガディスさん」
旅を初めて二日目にして、いつの間にかミワンがゼルガディスを呼びかける名が変わっていた。
それが親しさを示しているようで、アメリアは思わず耳をふさいだ。
しかし隙間から聞こえるミワンの声に息をのむ。
「ゼルガディスさんにはどなたか大切な方がいらっしゃいますか?」
「この身を見ればわかるだろう。そんなヤツいるはずがない」
ゼルガディスの言葉に心臓を抉られた気がした。
今まで大切にしてきた何かを手折られた気がして必死にかき集めてみても、もはや全ては遠く粉々に壊れてしまい直すことなどできない。
もしかしてゼルガディスも…と望んでいた想いも、全てはただの勘違いだったのだから。
呼吸するだけでも痛みを訴える胸がつらくて、いっそ捨ててしまいたいと思う。
自分の足先だけを見つめながら歩き続けていると、すぐ隣でアメリアの名を呼ぶ声が聞こえた。
「アメリアさん、どうかしましたか?」
耳に届くだけで苦しくなる声とはいえ無視することは正義に反する。
必死に作り笑いを浮かべながら顔を上げ、ゆっくりと首を横に振った。
「大丈夫ですよ。心配かけてしまってごめんなさい」
自然と並んで歩くミワンの横顔を盗み見ながら、アメリアは小さな声で問いかけた。
「あ、あの…ミワンさんはゼルガディスさんのことが好きなんですか?」
おずおずと口にした問いに、ミワンはほんの少し驚いた後、いつもの穏やかな笑みを浮かべて囁くような声で言った。
「ゼルガディスさんですか?すごく素敵な方だと思います」
明言は避けていても、それは確かに肯定の回答だ。
アメリアは言葉を失いミワンを見つめる。
しかしミワンはそれ以上何も言わず、いつの間にかまたゼルガディスの隣を歩いていた。
かつてゼルガディスはシルフィールのことも特別に想っていたような気がする。
当時はまだ出会ったばかりでその時のことをしっかりとは覚えてはいないが、コピーレゾの戦いの最中、あまり他人に関心を持たない彼がシルフィールを真っ先に気遣っていたように思う。
思えばシルフィールとミワンは似たような雰囲気を持っている。
髪が長く、背が高く、そして何より高貴でお淑やかで女性らしい美しさを兼ね備えており、ミワンは男であるにも関わらず、自分よりずっと女性らしい。
ゼルガディスが惹かれる女性の雰囲気と自分は全く逆であるという自覚はある。
いかにも子どもっぽい容姿はゼルガディスと並ぶには不釣り合いだ。
―――気づかなければよかった。
まだ何も知らなかった頃のように、何もわからずただ苛立ちを募らせているだけですめばよかった。
それならばこんなにも辛くはなかった。
辛くなかったのに。
「アメリア」
ポンと頭に暖かな感触が広がる。
顔を上げ、その手の先を探るとやはりその手の主は想像に違わずガウリイだった。
「どうした?元気ないな」
「そうですか?」
返す自分の声が力ないことを自覚している。
「リナも心配してるぞ」
穏やかな水色の瞳はいつも優しく、その寛大さにいつも救われてきた。
ガウリイの優しい声音にささくれだった心が懐柔される。
しかし、決して不快ではないのはそれが彼だからだろう。
「…ごめんなさい」
素直に口にした謝罪にガウリイが微笑む。
その笑顔に癒されていく。
「アメリアは笑ってる方がいいぞ」
「えへへ。ありがとうございます」
ガウリイは優しい。
こんな優しい人を好きになれたらきっと辛いことなんてなかったのにと、アメリアは思った。
それでもアメリアが想うのはただ一人、寡黙で滅多に笑わない、苦しみを抱えた彼なのだ。
「…あの、ガウリイさん…。私…大人しくなってお淑やかになって、髪なんかも伸ばしたりしたら…かわいくなれますか?もっと背が高くなったりしたら…そうしたら……」
最後まで口にすることができなかった。
もしかしたらゼルガディスもアメリアを想っているのかも…などと期待を持つことは最早出来なかった。
それならば少しでも彼の理想に近づきたかった。
でも、決して自分はミワンにはなれないことを知っている。
どれだけ望んでも。
「アメリア。アメリアはそのままで十分かわいいぞ。おいおい、泣くなよ。ほら抱っこしてやろうか?」
焦りながら頭を撫でてくれるガウリイに頬がゆるむ。
「ガウリイさん、父さんみたいです」
泣きながら、それでも何とか笑みを浮かべると、ガウリイが心配そうに眉を顰めた。
「あ!ガウリイ、あんた何アメリア泣かせてんのよ!あたしは話聞いてあげてって言っただけで泣かせろなんて言ってないでしょ!」
その言葉で、リナにもガウリイにも心配をかけていたことを知る。
「ね?どうしたの?アメリア。ガウリイとっちめてやろうか?」
顔をのぞき込みながら優しく気遣うリナにまた涙があふれる。
「ごめんなさい、リナさん。違うんです」
ギュッと腕にしがみつきながら首を振ると、リナは小さな声で問いかけた。
「…ゼルのことが好きなの?」
「……」
その問いに曖昧に微笑むことしか出来なかった。
遠くでミワンの声が聞こえた。
「皆さん仲良しさんですね」
「……」
だが、その声に答えるゼルガディスの声は結局聞こえなかった。
その日の夜、リナとアメリアの部屋の扉をノックする音が響いた。
リナがそれに応え、ドアを開けるとそこにはゼルガディスが立っていた。
「…アメリアはいるか?」
「…もう寝てるわ。昼間随分泣いてたから疲れちゃったみたいね」
寝ているアメリアを気遣うように声を潜めるリナに、ゼルガディスはリナを睨んだ。
「お前は…アメリアが泣いた理由を知っているのか?」
「…あんたは知らないの?」
しかし、ゼルガディスのそんな鋭さをものともせず、リナもまたゼルガディスをきつく睨みつけた。
「その場にいなかったんだからわかるわけがないだろう」
ゼルガディスがリナに勝てるわけもなく、目を逸らしながら反論すると、リナの気配がさらに鋭くなる。
「あんたが本当にわからないって言うんなら、あの子にはもう関わらないで」
冷たく言い放つ口振りにゼルガディスは顔を上げる。
しかし、そこには冷ややかにゼルガディスを見つめる赤の瞳しかなかった。
「…何?」
「悪いけどあたし、あの子が泣くのイヤなの」
少女は一気に言い切ると、男の反論を聞くことなくドアをバタンと閉めた。
残された男は何も出来ず、ただそこにたたずむだけだった。
翌日、リナと楽しそうに話すアメリアを見ながらゼルガディスはため息をついた。
「どうかなさいましたか?」
そんな男に気づいたミワンが、気遣うように声をかける。
「いや…なんでもないが…」
「そうですか。それならいいんですが」
あっさりと引き下がろうとするミワンに、ふと昨日の疑問をぶつける。
「…昨日アメリアが泣いていた理由を知っているか?」
「アメリアさんが…ですか?いえ、私は何も…」
「…そうか」
知るはずはないとわかっていてもやはり落胆は隠せない。
リナがああ言う以上、これ以上聞いても怒りを買うだけだ。
そして、リナが言わない以上ガウリイから聞き出せるはずもない。
当人に聞くのが一番手っとり早いのだろうが、あの少女がそうそう簡単に口を割るはずがないこともわかっていた。
「気になりますか?」
「…いや、そんなわけではないが…」
そう言いながらもその実は気になって仕方なかったのだ。
いつまでもアメリアの泣き顔が瞼に焼き付いて離れない。
昨日少女が泣いているのを見てからずっと。
「やーっと到着したわね!」
「すいません。一度ならず二度までも皆様にお世話になりってしまって」
ようやく街の入り口まで到着し、ミワンは頭を下げた。
「いいわよ、そんなの!どうせ通り道だったんだし」
リナがそう言って笑うとミワンもつられて嬉しそうに笑った。
「またフェミール王国の近くにいらしたときは是非立ち寄ってくださいね。歓迎します!」
「うん。またいつか」
差し出されたミワンの手をリナが握る。
そしてアメリアの手を取り、ガウリイの手を取った後、
少し距離をとっていたゼルガディスに近づくと同じように手を差し出した。
「ゼルガディスさん」
「なんだ?」
「私、誰かに似ていると思いませんか?」
突然の意外な問いにゼルガディスは言葉を失う。
見つめ返してみても、その瞳からは何も読みとることが出来ずゼルガディスは戸惑った。
「私、ゼルガディスさんに優しくしていただいてすごく幸せでした」
手を取ろうとしないゼルガディスの手を無理矢理に握ると、ミワンは少し切なそうに顔を伏せた。
「でももう私を身代わりに優しくするのではなく、ご本人に同じことをして差し上げてください。そうしたらきっと彼女は笑ってくださいますよ」
「ミワン?」
ミワンの言葉の意味が分からず男は首を傾げる。
閉じられた瞼の向こうで、悲しげに揺れているだろう瞳を思うと胸が疼いた。
「私が男だと知っても優しくしてくださるゼルガディスさんが嬉しくてついつい甘えてしまいましたけど…ゼルガディスさんが本当に優しくしたいのは私ではないのではないですか?」
「何を…」
「本当に笑ってほしいのはどなたですか?泣いているのを見ただけで訴える胸の痛みを知らないはずがないですよね?」
最後に一度ミワンはゼルガディスの手を強く握った。
まるでこれが本当に最後だというかのように。
「それでは皆さま、本当にありがとうございました」
遠ざかる背中を眺めながら、ゼルガディスはようやくミワンの言った意味に気づく。
当然のようにゼルガディスの隣に立つ少女。
少しずつ時間をかけて積み上げてこれたのはアメリアだからだ。
あまりに隣に居すぎたためにそれに気づかず、少女への想いを少女に似たミワンに与えようとした。
「…最悪だ」
ようやくアメリアの涙の意味に気づいた男はそうこぼすしかなかった。
「え?なんですか?」
「アメリア…」
うまく聞こえなかったのかアメリアはゼルガディスにもう一度、と促すが何も言えず口を閉ざす。
「どうかしましたか?」
「いや、今はまだ言えん」
「どういう意味ですか?」
「とりあえず、お前をもう絶対に泣かせん。絶対にだ。それだけは、本当に絶対だ」
それだけを言うと、この話はもうおしまいだというように歩く早さを早めた。
「…は、はい」
慌ててそれを追いながら、アメリアはポロっと涙をこぼした。
だがそれはこの間のように悲しいものではなかった。
ゼルガディスの言っている意味は何もわからない。
それでも、微笑んでくれるゼルガディスに嘘はないと思う。
自分に笑いかけてくれるのなら。それでもう十分なのだ。
顔を上げると、リナとガウリイが少し前で二人を見て笑っていた。