なまこのスレイヤーズ・ゼルアメ中心のブログです。
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埼玉も寒いです。
本日はなんと三件リンクを貼らせていただきましたv
Dolce!のひじりさんと、二重世界の騒音さんと、iosのナギサさんです。
うふふーv
げへへー←
そして、実はなまこは騒音さん宅の
四周年記念企画に、恐れ多くも参加してまして(ちゃっかり)
この間、ゼルアメ小説をいただいちゃいましたv
うっひょ――――!!!
サイトにのっけちゃっても、いいですか、と。
このたびいきおいで(いきおいって大事)お願いしたところ、
快くOKしていただいたため、のっけますうふふふーvvv
お題は「ゼルアメ学園ラブコメ」です笑
何かあったらとりあえず学園ものをねだることで有名(?)ななまこです。
しかも文化祭、と指定までしちゃいました。
そんだら素晴らしい素晴らしい小説が返ってきました。
続きより掲載します。
どうぞご覧あれです―――v
騒音さん、本当にありがとうございましたぁーvvv
文化祭といえばゲリラ劇よね、と述べたのは唯我独尊トラブルメーカーの我が友人である。
わたしはといえば、文化祭といえば心ときめき皆浮き足立ち一つの目標へ向かって全力で楽しむ行事だと
思っていたので、友人の言葉にはぁ? と疑問の体を示した。
しかし、そこは唯我独尊な友人である。
やるわよ、と有無を言わさぬ声で構想を述べるものだから、わたしは思わずノリノリでそれに参加することにしたのだ。――彼女には、そういった不思議な魅力も存在する。
赤頭巾
学園祭当日。
皆がプログラムに沿った行動や出し物の準備をしている合間、わたしは一つの服に着替えた。
校内に制服を着た学生やら衣装を着た学生やら一般人やらがごった返しているその中に衣装を着たわたしが現れたとしても、誰もそれがゲリラ劇の服とは気がつかない。
わたしは予定通りの通路を行き、ターゲットを見つけるとその後ろをゆっくりと歩く。
すると、唐突に校内放送が流れた。
『みんな、お楽しみのところ悪いわね! この一瞬をリナ=インバース率いる四人組が占拠させてもらったわっ。心して聞きなさい』
これも予定通りである。
実際、これはゲリラ劇と称しているが学校の許可は下りているのだ。
まさか許可が下りるとは思わなかったが、リナが口先で言いくるめたらしい。
『この学園内におばあちゃんへワインとパンを届けるためにお手伝いを頼まれて届け物をしている正義の使者赤頭巾ちゃんがいるわ。彼女は正義の使者であるから、学園祭という絶好の機会を狙って恋愛を成就させようともくろんでいる若人達のお手伝いもついでにしているの』
その言葉を聞き、私は先ほど見つけた――今はリナの放送を聞いているその人に声をかけた。
「もしもし、3-Aのザングルス先輩ですね」
「へ?」
この声はほぼ同時に校内放送のスピーカーからも聞こえてくる。
というのも手に持ったバスケットの中にマイクを仕込んであるからであった。
わたしはそのバスケットの中から一枚の紙を取り出して、ザングルス先輩へと読む。
「1-Eのマルチナさんから伝言を預かっております。ザングルス先輩がもしよろしければ、文化祭を一緒に回って欲しい、と。よければ、翌日午後一時に体育館で待っております、とのことですが――いかがしますか?」
わたしはにこりと微笑み、あっけにとられている彼を見た。
どうやら、最初のうちはぴんときていなかったようだがこれが遠まわしの告白だと分かると彼は頬を赤く染める。
『へ・ん・じ・は?』
間に耐え切れなくなったのか、放送室にいるリナの声が迫力を持ってスピーカーから響いた。
その言葉に、慌てたザングルス先輩は慌てて述べる。
「い、行くぜ!」
その声がスピーカーからも同時に響くと遠目に様子を見ていた人々がおお、と驚きの声を上げた。
『こうして、正義の使者赤頭巾ちゃんは一つの恋を実らせたっと。さて、事前予約を受けた分も含め、これから正義の使者赤頭巾ちゃんはおばあちゃんのお使いついでに貴方の恋を実らせるわよ。今からでも注文受け付けているから、赤頭巾ちゃんにお願いしたい人はリナ=インバースの元まで連絡頂戴』
成功例を見せて、宣伝するとはさすがだ。
そうして、リナは思い出したようにあ、と述べる。
『ついでに校内には正義の使者赤頭巾ちゃんを付け狙う悪い狼と、狼を追い払おうとする阿呆な狩人もほっつき歩いているわ。彼らと赤頭巾ちゃんが出会うとき、また放送ジャックするからよろしく! 面白いことがあるかもしれないから、彼らの動向もチェックしてねっ』
これは仮にも赤頭巾ちゃんなので、無論狼と狩人も存在するのだ。
劇としてはちゃんと登場人物を出さないと成り立たないものだし。
さて、こうして赤頭巾をかぶったわたし、アメリア=ウィル=テスラ=セイルーンはバスケットを片手に持ってのんびりと校内を歩き出したのである。
初日にリナが宣伝した効果もあり、三日間の学園祭は人の恋路を応援するため右往左往して終始過ごしていた。
基本は廊下を歩いているものだったので、各クラスの出し物やら演劇やらを見物できたりして自由な時間は多かったのだが。
それにしたって、リナも意地悪である。
わたしだって、人の恋路よりも自分の恋路を成就させたいのだ(むろん、他人の恋路を応援することだって立派な正義の行為であるため、積極的にしていくべきではあったが)。
けれど、私の思い人――ゼルガディスさんを狼にしてしまったがゆえにほとんど会えないのである!
もちろん、狼に遭遇する赤頭巾ちゃんとして幾度か会うことはあるのだが、天敵であるがゆえにとび蹴りで撃退しつつ逃げたり猟銃(模倣品)を持った狩人ことガウリィさんが割り込んできたりして機会などほんの一瞬しかない。
リナだって、わたしの感情は重々承知の癖に!
三日目の午後二時には最後の依頼者からの言付けを思い人に告げたわたしは、今までのゲリラ劇が成功していることにほうっと息を吐いた。
あとは、おばあさんの家へ向かい赤頭巾ちゃんの結末を一通り行なってしまえばおしまいだ。
ちゃんと最後の場所も聞いている。
――午後五時三十分に体育館。
微妙な時間であるのは、六時にキャンプファイヤー前の全校集会があるため学生が集まってくるからである。
そこで最後の締めをすれば目立つであろう、というリナの立案だった。もっとも、その時になぜかとても楽しそうな表情をしていたことがいささか気になるけれど。
時間を潰して、五時三十分きっかりに体育館のステージ袖に到着すると、まるで小学校のお遊戯会のように陳腐な背景とその中央にベッドが置いてあった。
とどのつまり、あの中央のベッドにおばあちゃんを食べた狼役のゼルガディスさんが眠っているだろう。
赤頭巾の内容はそこそこに知っていたし最後はアレンジする気はないからということで台本を用意されていなかったため、わたしは一度時計を確認した後舞台へとのんびり歩いていった。
「おばあちゃん、おまたせー。お見舞いに来たよ」
わたしはのんびりと言葉を吐きながら中央へと向かう。
そこにはゼルガディスさんが眠っているはずだった。
「遅かったわね、赤頭巾」
台詞を吐いたのはおばあさん役であるはずのリナであった。
「リナっ?」
「おばあちゃん相手に呼び捨てなんてひどい孫だわね」
リナはベッドから上半身を起こすと、そうにやりと笑った。
わたしの知っている赤頭巾ちゃんと違っているのだから、それぐらいの驚きは見逃して欲しいものである。
「そんなんだから、正義の鉄槌ばっかり下して人様の恋愛を成就させても、自分の恋愛が成就しないのよ」
未だ驚の中にいるわたしへにやんと笑ったリナは、そう述べ更に言葉を続ける。
「アンタが好きになったのがあの悪名高い狼だなんていうものだから心配したのだけれど、脳味噌の欠落が見受けられるけれど人の見る目はある狩人がいい奴だと述べていたから、応援したげるわ」
にこりと微笑んだリナに、なんだか本心が見えてわたしは思わず感動した。
すると、わたしとは逆側の袖から猟銃のレプリカとゼルガディスさんの狼衣装の首根っこをもち、ガウリィさんが登場した。ゼルガディスさんを引きずりながら。
そうして、リナが座っているベッドのそばまで来ると、人の良い笑顔を浮かべた。
「リナの言うとおり、ゼルは人あたり悪いしとっつきにくいが根はいい奴だからお勧めだぞ。アメリアが惚れるのも無理ないな」
ほら、と引きずってきたゼルガディスさんを、ガウリィさんは私の目の前に出す。
「さぁ、好きな人に対してとび蹴りかますお転婆なアンタを心配してお膳立てしたんだから、さっさと言うこと言っちゃいなさい」
とび蹴りはリナの指示だったんだけど、と言いたいのをぐっと我慢してわたしは目の前に立っているゼルガディスさんを見た。
体は狼のぬいぐるみ、顔は出しているけれど耳をつけている彼はわたしを戸惑うように見ている。
まったく予期していなかったことに心臓はばくばく脈打っているけれど、確かにいいタイミングなのかもしれない。
わたしとゼルガディスさんはリナとガウリィさんを経由しての知り合いであり、さほど交流を図ってきているわけではないのだ。
もちろん、二人をダシにしてコミュニケーションを取っていくつもりだったが……、こうなったのであれば告白したほうが手っ取り早いのだと思う。
わたしは意を決して、ゼルガディスさんの目を見た。
「ゼルガディスさん、――好きです! もし少しでもわたしに好意を持ってくださっていたら、この後のキャンプファイヤーで踊ってくれませんかっ?」
あまりの緊張に、早口でそう述べる。
ゼルガディスさんは少し困ったようにちらりと客席のほうを見ると、顔を真っ赤にしているであろうわたしの目を見た。
「――こんな狼で良いんだったら」
少し、照れたように頬を赤くしているゼルガディスさんの表情に一気に嬉しさが駆け巡り、わたしは目の前の彼をぎゅっと抱きしめた。
とたん、まったく意識していなかった体育館側から拍手やらひゅーひゅー、おめでとうなどの声が一気に響く。
「やっぱり、劇はハッピーエンドでなくっちゃね」
ベッドに座っていたリナは、嬉しそうな声で小さくそう述べた。
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