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なまこのスレイヤーズ・ゼルアメ中心のブログです。 各種版権元とは一切関係がございません。
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はーっぴーぃほっわいっとでー。


一週間ぶりですなまこです。
気付けばこんな時間だあはは。
明日早いのになあっははは。

日本独自の行事、白い日ホワイトデーですね。
今回は男性陣に投げチッスのお返しですwww
そして未だに色塗りが固定できない模索中です。

そして例のごとく小話のつけちゃいましたwww
懲りないな―;;;
でも、バレンタインの時の続きだったりしますwww
バレンタインその後、として、興味がある方はつづきよりどーぞv

そして、リンク追加いたしました―――!!!
HAPPY CRYSTALです!つぐみさんのサイト様です!!
あのゼルの色っぽい熱い視線と、ぷりっぷりキュートなアメリアを描くことで有名な、
つぐみさんのサイト様をリンクに追加いたしました――!!

私信です
つぐみ様へ
このたびチャットで大変お世話になりました!!
返事が遅くなって、大変申し訳ありませんでしたが、
ちゃんと確認いたしました!リンク貼ってくださってありがとうございます―――!!
なので私も貼ってしまいました・・・///
ご確認よろしくお願いしますvvv
つぐみさんのゼルアメは、もう、可愛くて・・・orz
たまらんです。特にゼルの色っぽいこと・・・ブーーーー(鼻血)
これからも全力で応援させていただきますので、
どうか引かないでくださいwww
よろしくお願いいたしまーす!!嬉しいなぁ嬉しいなぁ―――vvv








―――とある剣道部、部室内での会話

「朝練おつかれー」
「おつー」
「お疲れぃ。どした?浮かない顔だねぇ。」
「今日はホワイトデーですなぁ。」
「あぁ。俺らには関係のない日?」
「お菓子業界の陰謀日?」
「2月3月は1カ月ごとにこの関係者以外立ち入り禁止デ―の
 疎外感を賜るんだぜ・・・。」
「・・・たっまんね。」
「陰謀の日かもしれねーけど、傍観の日でもあるんだなこれが。」
「あ?」
「なんじゃそりゃ。」
「本日のグレイワーズ副主将の動向。」
「うっわ気になる!!!」
「でもあの人、ロッカーに溢れかえるほどのチョコ、
 ぜーんぶガウリイ主将にあげてたじゃん。」
「お前知らないの!?グレイワーズ副主将の天使ちゃん!」
「は!?何それ!!!?」
「・・・隣のクラスの、アメリア=ウィル=テスラ=セイルーン嬢」
「セイルーン!?マジで!!?」
「インバースとガウリイ主将がデキてるって、ほぼ学園公認だけどさ、
 実は今巷で噂されているのが、我らが鬼の副主将とあの正義オタク。」
「うっそマジで!!?あの副主将が・・・」
「だろ?あの女より100パー学業が剣道をとるだろうな、って見た目のあの人が。」
「セイルーン・・・まじかよ・・・」
「なにお前、ショックうけてんのー!?」
「ったりめーだろ!?セイルーンとか学年で上玉中の上玉じゃんか。」
「まぁなー・・・俺も最初はショックだったけどさぁ。
 グレイワーズ副主将ならしょうがなくね?」
「・・・だよな。副主将、男の側からみても、めちゃくちゃかっちょいいもんな。」
「あの包帯男が、これだもんな。メガネ取ったら美少年みたいなこの驚き。」
「でもさ、まだ付き合ってるわけじゃないんだろ?」
「そこんとこ気になってさ、俺ガウリイ主将に聞いてみたんだけど。」
「お前・・・案外勇者だな。」
「なんて言ったと思う?『・・・ゼルが、煮え切らないんだよ。』だってさー!!」
「ぶはあ!!」
「奥手か!!あの人本命には奥手なんだな!!!」
「うける・・・練習中俺らに『一手を迷うな』とか言うくせに・・・」
「恋愛に関しては小手も打てないんだ・・・」
「でもさ、ちゃんとセイルーンからもらったのかな?」
「もらわないとか、ありえねーだろ?」
「でもバレンタインの日の練習の時、なんか元気なかったじゃん副主将。
 なんかめっちゃガウリイ主将に励まされながら練習してたじゃん。」
「え・・・もらえなくて、しょんぼりしてたの・・・?」
「やめろ。副主将にしょんぼりとか、考えただけで腹筋が割れる。」
「でも、どーなんだろうなー。」


【acquittal】



3月ってのは、ずいぶん温かい。
加えて朝練を終えた後ともなると、午前中にも関わらず、
ブレザーなしで、校内外をうろつくことができる。
だが、おれはあまり肌を露出したくはないので、
一般生徒と変わらず、ブレザーを着用。
しかし、ワイシャツ1枚に、袖は肘までまくって、ズボンの裾もふくらはぎ半ばまで露出中。
まるで初夏かと、突っ込みたくなるような、そんな格好をするは、
隣を歩く、金髪の剣道部主将。

「ゼルー。お前さん暑くないのかー?」
「暑くはない。肌もあまり出したくはない。」
「暑苦しいやつー。」
「どっちがだ。」

ガウリイとはクラスも部活も同じ。
おまけに帰るところも同じ。
四六時中一緒にいるくせに、全く苦ではない存在というのも、
おれにとっては大変珍しい。完全に珍獣状態だ。おれの中では。
だが、こういうのを、気が置けない仲、であることを、
おれは最近要約理解した。

「ところで、さ。」

着席し、1限の数学の準備をはじめたころ、
前の席に座るガウリイが身体ごと振り返り、
組んだ腕を椅子の背もたれに乗せ、小声でつぶやいた。

「今日、どーすんの?」

その一言で、朝練モードから学業モードへ切り替わろうとしていた、
おれの脳味噌が、一気に桜色に覚醒した。

「なんの、話だ・・・?」
「とぼけんなって!今日のホワイトデー、アメリアに何してやるんだ?」

しかし、桜色の脳味噌とは裏腹に、
おれの中のプライドは、勝手に白を切りだした。
わかってる。このいらぬ矜持のせいで、色々損をしていることを。

「オレは、リナに食べ放題おごる約束だからな。」
「・・・妥当だな。実に妥当だ。」
「で?お前さんは?」
「・・・言うべきか・・・?」
「言わないのか?」
「いや・・・別に・・・」

というか。

「おれ、ここ1カ月間、頑張ったよな?」


今からきっかり1カ月前。
世間でいうバレンタインデーという行事に、
これほど心を砕いたのは、今まで生きてきて初体験で、
心身ともに、かなり疲労したのは、今でも記憶に新しい。
この、自他共に認める無愛想で無神経なおれが、
そんなにまでして心を砕いたあいつに、要約もらえた免罪符(チョコレート)。
その免罪符を持って、おれはあいつに要約宣言ができた。

『そーゆーふうに扱う』

どうやらおれは、あいつから一つずつ、免罪符であろうものをいただかなくては、
行動することすら出来ないようである。
人と関わることをよく知らないおれは、あいつに許された範囲内でしか、動けない。
相当弱気で、相当憶病。
今までそんな感情を持ったことすらなかった。
この、むかむかするほどめんどくさいが、どうしようもなく心地好い感情こそが、
人を好きになる、ということであることも、最近知った。

だから、ここ1カ月間、そーゆーふうに扱ったのだ。
あいつのことを。
極力優しく扱ってきた。あいつにだけ。
極力二人っきりの時間を設けた。あいつにだけ。
極力おれから聞くようになった。あいつのことを。

あいつの笑顔をみるために。
次の免罪符を、もらうために―――


だが、


「あいつは、おれの努力に、気付いて・・・」
「ないな!」

無邪気な笑顔のガウリイに断定される。
一時期、こいつのように笑えたら、
あいつの心すら動かせることができるだろうな、と
羨んだほどであるが、今は確実に憎らしい。

「とかさ、言ってるがお前さん・・・」

学園一の色男、加えて剣道の腕は超一流だが、脳細胞がクラゲで出来ている、
だが、おれが唯一心を許せるこの男は、

「実は何するか考えてないんだろ?」

時々ものすごく的確におれの心を読むんだ―――これが。




「アメリアの欲しいもの?」

昼休み―――
立ち入り禁止であるはずの屋上のドアが開かれている。
もちろん、おれが開けた。なぜって、特技の1つだからな、解錠。
おかげで誰にも聞かれることはない場所で、
一種の「作戦会議」が開かれた。
参加者はリナとガウリイ、何故かゼロスとそしておれ。
リナ命名、「ゼルちゃんの、ホワイトデーラブラブ大作戦」
―――く・・・くそったれ・・・

「僕・・・こういうラブラブとか嫌いなんですけど・・・吐き気が・・・」
「いいじゃない!面白そうでしょー?」
「そりゃ面白そうですけど・・・人の喜ぶ感情とか・・・苦手で・・・」
「・・・あんた、本気で腐ってるわね・・・」

作戦会議という名の、暇つぶしであることは一目瞭然。
だが、ゼロスはともかく、リナとガウリイは結構マジに考えていることを知っている。
―――多分。

「で、アメリアの欲しいもの、だっけ?」
「あぁ。」
「普通に、正義の賛歌とかだと思うんだけど。」
「それ以外で。是非。」
「でも、アメリア喜ぶんじゃないか?ゼルの正義の賛歌とか。」
「ガウリイ・・・それ本気で言ってたら殴るぞ。」
「もういっそ、ずっと隣で「正義正義」って言ってあげればいいじゃないですか。
 それぐらいなら、僕も我慢できますし。」
「何故お前の意向を汲まにゃならんのだ。」
「じゃぁさ、あたしがいっちょどっかから不良軍団見つくろってくるからさ、
 アメリアの前で全員ぼこぼこにして、「正義のためだからな」とか
 言ってやんなさいよー!!確実に喜ぶわよ。」
「・・・反論、できん;」
「それか、どっかの戦隊ヒーローの衣装着て、
 横断歩道渡れないおばあちゃん助けたり、子供の喧嘩止めたりしてもいいな!
 あ、正体は明かさなくてもいいか。辛うじて。」
「え・・・おれがやるの?おれがやるの?」
「あ。むしろ、ゼルガディスさんが不良軍団につかまって、
 アメリアさんを助けに行かせてあげた方が喜ぶんじゃないですか?」
「お前はもうしゃべるな。」

というか、
こいつら、到底おれには出来ないことばかり言ってないか。
あぁ・・・こいつらを信用したおれがバカだった。
というか、こいつらしか信用するやつらがいないおれバカだった。

「なんにせよ、よ。」

先ほどからみていてすでに5個目の焼きそばパンを頬張りながら、
リナはそのよく通る声を響かせ、人差し指をやんわり突きつけてきた。
おれの胸に。

「ここを込めたものなら、なんだって喜ぶわよ、あの子は。」

返す言葉がなかった。
半眼でそういうリナと、その言葉でやんわりとほほ笑むガウリイ。
眉間にしわを寄せながら聞かぬふりをするゼロスを順に見ながら、
その言葉が、何故かストンと胸におちてきた。

そうだ。そういう女だから、惹かれたんだよな―――


ついに放課後を迎える。
剣道部があるはずなのだが、何故か、全員満場一致で、『休め!』と言ってきた。
多勢対おれ。
なんでいるんっすか!?とか、早く行ってあげてください!とか、
良い報告待ってます!!とか、今日部活出るとか何考えてるんっすか!?とか、
散々好き勝手言いやがって。
数の暴力たぁ、このことだ。
しかし、ここまで言われて部活続けられるような雰囲気では到底ないため、
しぶしぶ追い出されるように部室を後にした。

というか・・・
まだ、あいつに声をかけてもいないのだが―――

ピリリリリリ
携帯の着信が光る。何故か相手は、

「フィリア?」
『あ。もしもしゼルガディスさん?聞きましたよ。まだアメリアさん誘ってないんですって?』

・・・もう、なんなのこいつら。

『リナさんから聞きましたよーんもう!しっかりしてください!』
「リナァ・・・」
『それで、今リナさんがアメリアさんキープしてるそうなので、
 その連絡をするよう頼まれまして。』
「なっ・・・」
『良かったですね。リナさんがアメリアさんキープしてなきゃ、
 あの従兄君に取られるところだったんですってよ?』
「はっ!?」
『高くつきそうですね、ホホホv』
「フィリア・・・あんたおれに恨みとかあったのか・・・?」
『いえいえ!まさか!そんなことより、早く行ってあげてください。
 教室にいるそうですから!』
「あ・・・あぁ・・・すまない・・・」
『ふふふ。リナさんにもちゃんとお礼言ってあげてくださいね?』
「あぁ。今回ばかりは世話になりっぱなしだ。」
『世話ついでに、私もお世話しちゃってもいいですか?
 余計なお世話かもしれませんが。』
「いや。なんだ?」
『あのですね――――・・・』


夕焼け色に染まった教室に、あいつは一人ポツンと座っていた。
――そういえば、今日はじめてあいつを見た。
ぼおっと、窓の外をながめているその大きな瞳に、
どうしようもなく焦がれた。
いつも快活なあいつはそこにはおらず、
夕日に溶かされてしまいそうなほど、儚げにうつった。

―――声が出ない。
あぁくそ・・・


どれだけあいつに惚れれば気が済むんだ――――


「ゼルガディスさん?」

ふいに甘い声が聞こえ、心臓が跳ねる。
彼女はガタリと音をたてて立ち上がり、2、3歩おれに近づく。

「アメリア・・・」
「これから部活ですか?」
「いや・・・今日は、無い。」
「そうなんですか?でもガウリイさん行ったって、リナが・・・」
「アメリア」

これ以上墓穴を掘らないためにも、
早々に本題へ持っていかなくてはおれの立場が悪くなる一方だと判断した。

「・・・ちょっと、付き合って、くれないか?」

意を決して出した声は見事に掠れた。
夕日色に染まった彼女に見惚れている間に、みるみる笑顔になる彼女に、
また見惚れた。


「ここは・・・?」
「元、おれん家。」

隣のアメリアが小さく息をのむ。
アメリアを連れてきた場所は、事もあろうに元おれの家、のあった場所。
祖父とゾルフとロディマスと住んでいた家。
祖父(あいつ)の研究の大惨事に巻き込まれ、
奇跡的に助かった命と引き換えに、こんな身体になった元の家。
しかし今では、生きててなんぼだと思えるようになった。

―――こいつらに、会えなかったと思うだけで、ゾッとする。

「どうして、ここに・・・?」
「ここしか、ある場所を知らなかったからな。」
「何を、ですか?」
「来い。」

土地面積だけがだだっ広く、今はただの空き地状態。
誰も買うわけがない。呪いがかけられていると専らの噂になった土地と化したからな。
何もかも無くなった。
その中で、ただ一つ、変わっていないもの―――

「わぁ・・・綺麗な桃の樹ですねぇ。」
「今年も見事に咲いてくれたな。」

小さいが、それでもこのだだっ広い空き地に、
凛と佇む桃の樹が、それはそれは立派に花を咲かせていた。

「毎年、この時期を教えてくれた花だった。」
「ゼルガディスさんの、思い出ですか?」
「・・・そうだな。」

思いだすことも苦痛だった過去。
しかし、彼女が隣で笑っているだけで、思い出に変えることができる。
全くもって、大した女だとつくづく思い知らされる。

「なんだ。そんなにおかしいか?」
「いえ・・・。また一つ、ゼルガディスさんのこと知ることが出来たので・・・
 嬉しいんです。」

―――頼むから、頬を染めて、花にも劣らぬ笑顔で、おれを見てくれるな。
免罪符もないのに、勘違いしたくなる。
やんわりと心臓を掴まれたような感覚の心地好さに、酔ってしまう。

その感覚に縛られて動けなくなる前に、
おれは桃の樹の枝を一つ折った。

「なっ・・・!!何をするんです・・・え?」

彼女の困惑する声に制止がかかったのは、
その枝を、おれが目の前に差し出したから。

「これを、お前にやる。」
「でもでも・・・せっかく咲いたのに・・・」
「まだ蕾もある。帰ったら水に挿しておけ。数日は楽しめるぞ。」
「でも・・・」
「じゃぁこの枝は無残にもここに捨てられることに・・・」
「あぁいやぁあぁ!!いただきますいただきます―――!!!」

そういうと慌てておれの手から桃の枝を救出した。

「もう!強引なんですからー!」
「素直に受け取っていればおれもそんなことは言わんぞ。」
「むう―――!」

ふくれてそっぽを向いた彼女に、
――――もう一つ。

「・・・え?」

ふいに頭に置かれた違和感に、むくれていたことも忘れ、
アメリアの瞳は再びおれに向けられた。

「これは・・・?」
「1か月前の、礼だと思って受け取れ・・・。」

彼女の頭に残した、桃の花をイメージしたコサージュ。
淡い桃色の5枚の花弁。中心から数本のおしべとめしべを模ったビーズの装飾がついた、
おそらく彼女に掌サイズの小さなもの。
実は、フィリアの手作り。

「うわぁ・・・あの・・・」
「なんだ、気に、いらんか・・?」
「違います!!!そうじゃなくて・・・あの・・・」

彼女の大きな瞳が左右にうごめく。
みるみる頬が頭のものと同じ色に染まっていく様子を観察しながら、
あたふたする彼女の次の言葉を辛抱強く待つ。

「・・・すごく、嬉しいです!!」

何故か涙目のアメリアの、表情は極上の笑顔だった。



―――かわいい



そうおれの脳味噌が信号を出した。
その信号を筋肉に伝える前に、おれの身体は動いていた。

「ひやぁっ・・・!」

アメリアの小さな小さな悲鳴が耳に入って要約、
おれは意識を取り戻した。


気付けば、深く深く彼女を抱きしめていた―――


しまった――――
そう思ってももうすでに行動は終わっている。
いけないとわかっているくせに、腕はどんどん力を増して、
アメリアとの距離をこれ以上もないほどに縮めようとしている。

だめだ・・・やめろ―――!
これ以上行動する免罪符は、まだもらっていない―――
許されない範囲に踏み込んで、彼女に拒絶されれば、


もうおれはダメになる――――


思わず歯を食いしばり、彼女の表情を見ないようにうつむき加減で、
ゆっくりと少しずつ彼女を引きはがす。
手が震えていることを、情けないほど自覚する。
すまない・・・すまないアメリア・・・
おれは――――

恐ろしい距離で目が合う。

目の前いっぱいに彼女の驚きで固まった桜色の表情。
ここからはまるでスローモーションを見ているかのようだ。

少しずつ彼女の表情がやわらかくなり、
恐ろしい距離が、更に恐ろしく近づく。
おれが動く間もなく、更に恐ろしく近くなり―――


唇の横に、やわらかな存在感


脳細胞、完全に機能を放棄。
再び活動をはじめた頃には、アメリアは目の前に立っていて、
顔を真っ赤に染めていた。


今のは・・・・今のは――――?


「ごごごごごごめ・・・ごめんなさい・・・あのなんか身体が勝手に・・・」
「・・・・ん?」
「いやなんか、嬉しくて・・・嬉しかったんで!!
 あの桃の枝と、コサージュが!!だから、なんと言いましょうか、
 こちらもお礼をと思って、でも何も持ってないので、
 お金も今日200円しかなくて、ですので、あのなんかついでと言いましょうか、
 いええ!!ついでとか何ですかねぇいやですから!!
 そうですお礼のつもりだったんです!!!
 嫌な思いをさせてしまったら、あの本当に申し訳ないです・・・!!
 あの、小さい頃父さんとかにはこれでOKだったんで、
 そう・・・そのノリですよ!!あはははダメですねぇ小さい頃のノリって!!」

怒涛のようにしゃべくりだしたアメリアの言い訳は、
半分以上耳に入ってこなかった。
当のおれの思考は、一気に地上をとびこえ、天国までひとっ飛びだった。
あろうことか、口の横に残った印を消しにかかろうとするアメリアの手を、
余韻をあじわっていたおれは寸で制することに成功した。

「なにをする。」
「なにってだから・・・!!」
「構わん!!残しておけ!!」
「うえぇえ!!?」

明らかにまだ混乱しているアメリアの前で、
おれが深呼吸すると、もう一度目を合わせて言った。

「大丈夫だ。十分礼だ。礼をあげたのに、礼を返すなんて、
 すまなかったなあ。」
「いいいいえいえ!!正義ですから!!」
「だが、この礼はおれにしか通用せんぞ。」
「そうなんですか!!?」
「あぁ。お前の親父さんまでなら大丈夫だが、
 おれ以外の男にこの礼をしたら、大変失礼にあたるぞ。」
「そ!!!そうなんですか!!??」
「あぁ。大変、ご迷惑に、値する。」
「わわわかりました・・・!!」
「おれで良かったな。」
「はいいいい!!」
「以後、この礼はおれにのみ有効とする。絶対だ。いいな!?」
「りょりょ了解です!!」

よし。
―――次の、免罪符を賜った。



「ところでなアメリア。」
「なんですか?」

さきほどの出来事が、まるでなかったかのように、
穏やかに隣を歩くアメリアに、
思わず小さくため息をつく。心の中で。
・・・全く、気付いてないのか?さっきの会話の重要性・・・

「お前、桃の花言葉知ってるか?」
「ゼルガディスさんが花言葉とか、笑っちゃいますね。」
「いい度胸だ。この口か。」

憎まれ口をたたきながらも、
さりげなくアメリアの柔らかい両方の頬を、
片方を親指で、もう片方を残った指を全部使ってつまみあげる。
年頃の女にはあるまじき表情を、形成させることで、
小さな復讐を果たす。

「ふがー!!ひゃめてくらはいほー!!」
「酷い顔だな。」
「ふがは―――!!はらひへえぇ―――!!!」

さっきの会話の重要性に気づいていても、いなくても。
今はまだ、この距離がちょうどいいのかもしれない。

いや、おれは出来るなら本当は今すぐアメリアの全部が欲しいんだが―――

如何せん、男の思考なんて、
えげつないことこの上無い。生理現象だ。勘弁してくれ。

「花言葉、なんですか?」

一瞬で思った欲望と、そこから生理現象として飛び出した
イケナイ妄想により緩んでしまった手を掻い潜り、
アメリアはにっこりと笑ってそう言った。

「桃の花の花言葉は―――」
「花言葉は――?」




「天下無敵」




「・・・・んも――――!!!どーゆーことですかあぁ―――!!??」







『余計なお世話かもしれませんが、
 美術部の活動で、桃の花のコサージュ作ったのですが、
 まだプレゼント用意していないゼルガディスさんに、いかがかな?と思いまして。』
「お前・・・本当に手広く活動してるんだな・・・」
『まぁ!美術部の活動は骨董店を見に行けるから・・・って
 今はそんな話では・・・!!』
「いや。正直助かる。譲ってくれるか?それ。」
『えぇ。喜んで。アメリアさんにイメージピッタリって、思ってたので、
 ちょうどよかったです。』
「世話になる。」
『いえいえ。それでですね?一つゼルガディスさんにピッタリな、
 予備知識も伝授いたします。』
「予備知識?」
『桃の花の花言葉は、『天下無敵』なんです。」
「・・・あいつにピッタリじゃないか。」
『アメリアさんにはね。もう一つの花言葉はゼルガディスさん用です。』
「は?」
『もう一つの花言葉は・・・』



『私はあなたのとりこ、なんですよ?』



―――――――――――――――――――――――――――――――――
なんか私、花ネタしか書けないんですかねぇw
今回はゼロスと(ちょっとだけど)フィリアさん登場できて嬉しかったですww

なまこ的学園設定は以前もちょろりと書いたのですが、
簡単に言うと、ゼルは全身皮膚移植設定ですwww
岩肌を、現代版でいうと、多分ブラッ○・ジャッ○先生のようになるだろうと思ったので、
そんなイメージでいてくれると嬉しいですw

ゼロスは、相変わらずあんなキャラですw
本当は結構深い設定考えたんですが、ここじゃ語ると長いww
ので、いつか機会があったら・・・ww
フィリアさんは、4人組といつもつるんでるわけじゃないんですが、
大切な友人である立ち位置で。
骨董を趣味に、文化系の部活は結構手広く行っている設定ですw
今回話にだした美術部と、手芸部とか、合唱部とか、多趣味であるが故、
忙しくて4人組とつるめていない、という感じでwww

学園物好きです。
ここまで読んでくださった方々、お疲れ様です。
ありがとうございました^^
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