忍者ブログ
なまこのスレイヤーズ・ゼルアメ中心のブログです。 各種版権元とは一切関係がございません。
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。


ab.jpg


気付いたら、学園やってました。

どうもお久しぶりです。
なんか色々あって、中々絵が描けなくて、
でも描きたいものがなくて、悶々した日々です。
だから学園してしまいましたwwww

つづきから小話です。
お時間があるときにどうぞ。
上の絵は、ものっそ関係ありありですww

--------------------------―
なんかきづいたら29000カウンター超えていて、
忘れないうちに告知しておこうと思います。

「29449(肉食)」カウンターお踏みになった方、
肉食賞を進呈し(なんじゃそりゃ)
なんかリクエスト受け付けようと思いまうす。
何でもやります。何でもやりますぞ~~!
ってことで、そんなことを言って、去りますぜ~!!ばびゅーん!!

--------------------
なーんて言ってカウンター見直してびっくり。
もう過ぎてたwwwwwwww
一人で笑ったwwwwwアホーアホーアホー!
というわけで、しょうがないから30000カウンター、
踏んだ方のリクエスト受け付けようと思いますwwww
どうも申し訳ありませんでしたwwww








------------------------------―――――――――――

 

 

終業のベルが鳴る――――

 


途端に騒がしくなる周囲。
目つきが悪くて可愛いうさぎさんのマスコットのついた、
お気に入りの学用鞄に、ペンケースとノートをがさっとしまい、
その鞄を机からベリッと引きはがす。
一歩出て、しまい忘れた椅子を机に収め、
少し駆け足で教室を後にする。

途中、数人のクラスの友人に、
すれ違い際に別れの挨拶をしながら、
わたしは3つ隣のクラスを目指す。

「リーナー?」
「あれ?アメリアちゃん。」
「あ。リナいます?」
「リナちゃん?あれー?いないねぇ。」
「いないんですか?」
「鞄もないみたい。」

―――先、帰ったのかしら?


【心友のいたずら】

 

「てがみ?」

たまに、
リナはわたしに何も言わずに帰っちゃうことがあるけど、
それはいつものっぴきならない理由であることが多い。

お昼ご飯、食べ過ぎた分の食材買い出しを命じる、
食堂のおばちゃんから逃げるためだったり、
先生ともめて、反省文書かされるのから逃げるためだったり、
実家のお姉さまからのご用事をすませるためだったり・・・

・・・はぁ。

そういう時は、必ずメールをくれる、
のですが、生憎今日わたしは携帯を忘れてきました。

埒が明かないので、一人で帰ろうと、
下駄箱の蓋をあけた途端、この手紙が、という訳で。

淡いピンクの封筒、差出人は不明。
ふーむ・・・悪人の予感?
正義の使者よろしく、潔くバリッと封を開け、
中に入っている一枚の紙を見て、一つため息をつき、すぐに封筒に戻した。
ついでに下駄箱の蓋も一緒に閉めた。

「何を考えているんでしょ。」

その紙にはたった一行。
『屋上を目指せ』と、
――――リナの字で。

一体どれだけ友達やってると思っているのだろうか。
少なくとも、筆跡がわかるほどはやっているんだろう。
そして、その筆跡に従わないと、
後に大変なことになることがわかるほど、でもあった。
仕方がないので、脱ぎかけた上履きをもう一度履き、
少々足取り重く、屋上へ向かうことにした。

 

正直、
リナの脳内は不可解だ。

 

わたしとリナとの出会いは、中学生の時―――
見慣れない栗毛の可愛い女の子がいるな、というのが、
はじめて彼女を目にとめた時の、正直な感想だった。

ただ廊下を歩いているだけでも変に目立っていたその小柄の少女は、
いつも「面白くなさそう」な顔をしていたのが印象的だった。
後に聞いたら、平和ボケをしていたそうである。

奇しくも意気投合してしまったのは、
リナが不良いびりをしている現場を、たまたま見てしまったのが、
そもそもの原因だった。
だって、わたしの目からはリナが不良に囲まれているように見えたんだもの。
まさか、「リナが」不良を囲んでいる、なんて思わないでしょう?

駆け出しの正義の使者だったわたしは、
高い所で口上を言った後、頭から地面に突っ込んだり、
少々要領がよくなかった点もあったのですが、
なんとか途中リナの乱入もありながらも、
不良さんに正義の鉄槌でお仕置をしたのでありました。

『あんた、何しに来たのよ?』
『あんた、じゃありません!アメリアです!リナさん!』
『・・・アメリアさん、何しに来たの?』
『だって!リナさん不良さんに囲まれてたじゃないですか!?
 正義の使者、アメリア=ウィル=テスラ=セイルーンは、正義の名の・・・』
『わかった!!それもういいから!!
 ・・・というか、別に大丈夫だから、次は別にいいからね?』
『なーにをおっしゃるんです!!?
 正義のヒーローは共に戦うものでしょう!??
 共に力を合わせ、悪の所業を正す、すなわち正義の行い!』
『は?』
『だってリナさん、本当は不良さんを公正させようとなさってたんでしょ?』
『ええぇぇ・・・そうなっちゃうの・・・?』
『それはわたしも同じです。
 志を共にする者同士、共に戦わずしてなんでしょう!?』
『なんなんでしょうねぇ・・・』
『ね?だから共にセイルーンの平和と不良さんの未来を守りましょう!』
『不良の未来は真っ暗だわね・・・もういいや。
 あんた、何だかんだで強いし。』
『リーナさん!あんた、じゃありません!!』
『わーってるわよ!アメリアさん、でしょ!?』
『もう仲間なんですから、アメリアでいいですよ。』
『あ、そ。じゃぁ、アメリアもね。』
『え?』
『あたしはリナよ。』
『・・はい!リナ!!』

あの時の、ちょっと照れたような笑い方は、
未だに変わってないなぁ。

お互いにお互いの友達も多かったし、
元々どちらも女の子同士のグループに属することもなかったので、
わたしもリナも、色んな女の子グループを転々としながら遊んでいた。
でも、いつの間にかそんなグループ同士の遊びの後は必ず、
二人で会っていた。
決まって、わたしの家にリナが来たり、わたしが呼んだり、
またはご近所の喫茶店でだったり―――
行った場所や、そこで誰が何をしたとか、
何故かいつも報告会をして、笑い合っていた。
そして帰りにはいつも正義執行(リナでいう不良いびり)で締めていた―――

後々考えて、このいつの間にかの決まりごとはなんだったんだろうと、
今でも不思議に思う。
他の子と遊んでいても、必ず最後はリナに会いたくなる。
なんでだろう、あんなに疫病神なのに。
食欲が人間の粋を超えているのに、全然肉がつかない子なのに。
体育の時間はいつも力を抑えきれなくて、何か一つは破損させる子なのに。
学園内では廊下を歩けば5人は怯えるほど、素行が乱暴な子なのに。
 

なんで、一緒にいたいと思うんだろう。


そういえば。
わたしは以前、父さんの知り合いの人の紹介で、
よく当たるーって有名な占い師さんとお話をしたことがある。
なんだか前世がなんだかわかるんですって。
わたしを見た途端、「前世はどっかの国のお姫様」なんて言われたから、
父さんが喜んじゃって。
でも、お姫様というよりは巫女姫みたいな、
魔力と霊力とが強い人、だったみたい。
世の中で何か起こることとか、
なんとなくでもわかっちゃうような人だったようで、
今でも根本的にその気はあるらしい。

「無意識に、力ある人がわかったり、そういう人たちと一緒にいたりしない?」

って言われた時、思わず笑ってしまったのを覚えている。
そういえば、やっぱりリナにも、ガウリイさんにも、ゼルガディスさんにも、
「なんかこの人なんかあるな」っていうのはぼんやり思った気がする。
だからなのかな、力があるから、引き寄せられるのかな。
リナも、ガウリイさんも、
――――ゼルガディスさんも。

 

「ここからは俺たちを倒してから進むんだなぁ!!」

屋上へのただ唯一の階段の前。
そんな声がしたから、目を見開いて前を見ると、
3人組の覆面を被った、男子生徒がわたしの道を阻んでいた。
よく見ると、屋上の扉からわらわらと増えていく覆面男子生徒。
―――どうみても、剣道部の人たち・・・
ですが。

「――――上等です!!!!」

リナの差し金であることは承知。
しかし、それに加担し、悪事を働く者たちが、
ましてや正面からこのわたし、正義の使者に喧嘩を吹っかけてくるとは!!
正義の鉄槌、お見舞いします!!

実力主義である、我が空手部の、
次期主将を約束された、このアメリア=ウィル=テスラ=セイルーンが、

「お相手致します!!」


何故か次々とかかってくる覆面男子生徒達を、
ちぎっては投げ、ちぎっては投げしながら、
リナと数か月前、実は初めて恋バナたるものをしたのを思い出していた。
きっかけは、わたしの下駄箱に入っていた、
一通のラブレター。

『差出人は!?』
『・・・隣のクラスのバスケ部の人、です。』
『なんて、書いてあった!?』
『どうぞ。』
『えぇ!?読んでいいの!?』
『えぇ。』
『・・・その時点であんた、その気ゼロね。』
『だってぇ。』
『はいはい、あんたにはあの堅物がいるものね。』
『ゼルガディスさんは堅物じゃありません!!』
『え~?あたしはゼルのことだなんて一言も言ってないわよ?』
『っ~~~!!!いぢわる~~!!』
『何とでも』

『で?この手紙の子はどーすんのよ。』
『ちゃんとお断りしますよ・・・正義の名のもとに。』
『歯切れが悪いわよ。』
『だって好きでもない人とお付き合いするなんて正義じゃないですけど、
 好意をお断りするのも正義とは言えません~~!!』
『・・・こーゆーことに関しては、『正義』も無いと思うけど?
 アメリアの心次第なんだから、いいんじゃないの?』
『~~~リナはこういう時どうするんです~!?』
『あたし!?あたしは嫌よ、好きでもない男と一緒にいるなんて!!』
『・・・やっぱり、リナはガウリイさんが好きなのね?』
『ぶふわぁっ!!なななんでそうなるのよっ!!!』
『だって、一緒にいるじゃないですか。』
『アレは別よ!!別!!』
『特別?』
『違う!!!!』
『んもう!リナとわたしの仲でしょう?
 照れなくたっていいじゃないですかっ!!』
『いや、だってさぁ。』
『へ?』
『アメリアが今言ってる「好き」って、
 男と付き合う~とか、彼氏にしたい~とか、そういうのでしょ?』
『・・・えぇ。』
『あたし、ガウリイのこと好きよ?
 でも、それで付き合いたいとか、彼氏にしたいとか、
 ・・・よくわからないのよね。』

そしてわたしは絶句をした。

リナは、黙っていれば美人だし、
数学が特に得意で、でも勉強全般はそれなりに出来て、
運動神経も抜群で、性格に決定的に難はあるけど、
何事も一生懸命だし、自分より弱い者にはとことん甘いし、
とっても芯のある子なのに、
恋愛事情(こういうこと)に関すること感情考え方全てが、
欠落していた。

だからなのか。
あの二人が全然進展しないのは。
ガウリイさんがどう思って今の状況に甘んじているのはわからないけど、
リナが今の状態である限り、絶対進まない。
リナとガウリイさんの仲応援団団長(自称)である身としては、
大変じれったい。

そんなリナは、わたしのゼルガディスさんに対する気持ちはわかってるし、
何かと背中を押そうとしてくれる。
―――なのに自分のことはわからないなんて、
何となく本当に、リナっぽい。


そんなことを考えていたら、
いつの間にか、覆面男子生徒である、
剣道部男子全員を、地面とお友達にさせていたのでした。

「お~いおいマジかよあいつらアメリア1人に全滅だぜ?」
「ただアメリアが強いのか、あんたらの部活仲間が弱いのか・・・」
「どっちにしろ、あいつらには追加ノルマ必至だな・・・」

聞きなれた3色の声を、ちょうど背中で聞いた。
弾かれるように振り向けば、

「ぶふふぁっ!!!!」
「「笑うなっ!!」」

赤と緑に突っ込まれてしまった。
だが、思わず口に手を当ててしまってもしょうがない。
振り向いたその先に、
黄色と緑色の間に赤色の俄か戦隊ヒーローの覆面を被った、
顔を見るまでもなく、我が友人たちの姿があったのだから。

「なっ・・・何をしてるんですかぁ!?皆さん!」
「違うぞアメリア!!オレ達は皆さんではなぁいっ!!」
「あー・・・、そういうのあんたに任せるわー。」
「うぇっ!?そうなのか!?」
「よろしくイエローッ!!」
「おうともよっ!!」
「ガ・・・ガウリ」
「アメリア!!オレは戦隊~~イエローッ!!」
「はっ!!イ・・・イエローッ!!」
「ノリノリだなおい」
「アメリア、いや・・・今日から君も、
 オレ達戦隊ヒーローの隊員になってもらう!」
「ほっ・・・本当ですかああぁっ・・・!!?」
「あぁ。君の正義の行いは・・・目に余るものがある!!」
「・・・この際、ここは突っ込まないでおくわよ。」
「言いたいことでは違うかもしれんが、
 現実問題、この言葉の使い方は間違っていない。」
「よって!!アメリア、君も今日から戦隊ヒーローだっ!!」
「イ・・・イエロオォォ~~!!!」

感動の涙を流すわたしに、
イエローは、どこからかすっと何かを取り出した。

「・・・こっ・・・これはっ!!!」
「君に、ピンクの名を進呈しよう!!!」
「イエロオォッ!!!」

イエローとは、頭一つ分くらい身長差があり、
そこからイエロー直々に戦隊ピンクの覆面を被せてくれ、た。
―――お先真っ暗だった。

「えっ!?ええっ!?何にも見えないんですけどっ!!」
「うん。どこにも穴開いてないからな。」
「えっ!?それじゃ意味なくないですかっ!!?」
「カタイことは気にするなよ!」
「いやいやいやいや!ひやっ!!」

前触れもない浮遊感。
恐らく、誰かに横抱きにされているのだろうが・・・
いわゆる・・・お姫様抱っこ・・・!?
ちょ、ちょ!結構女の子にとって誰がやってるとか重要なんですけど・・・!!
まさか・・・まさか・・・!?
居てもたってもいられなくて、
覆面であり、最早完全に目隠しであるそれに手をかけて、

「取るなよ。」

頭上から聞こえた声に、小さく返事をして縮こまり押し黙る他なかった。
―――やっぱり―――
やっぱりやっぱりやっぱり・・・っ!!!
覆面、してて本当に、本当に良かった。
熱のこもりまくった顔を見られないことは大変宜しいのですが、
この状況が目で見えない分、
わたしの膝裏と背中に感じる大きな掌の温もりが直に感じられて、
大変、居たたまれない・・・!!!

「っていうか!わたし重くないですかっ!!?」
「お前が重くて剣道部の副主将が務まると思うか?」

また小さく返事をして縮こまり押し黙る羽目になった。
―――あなたは、一体どんな顔をしてこの状況にいるのですか・・・?
気になるけど、見たいような、見たくないような・・・

だけど、わたしはこの人に抱えられて、
一体どこまで行くのでしょうか・・・?
ゆっくりとした足取りで、確実にどこかに向かっている気がする。
その間に感じる、ちょっと低い彼の体温。
不定期に流れてくる、彼の匂い。

―――居たたまれない!!

 

 

カツン

 


彼のローファーの音が一つ大きく鳴り、
とある一時点で完全に動きが止まった。
だけどわたしの視界は、まだ閉ざされたまま。
―――ついでに、抱かれた格好も、そのまんま・・・
と、思ったら、ゆっくりと降ろされ、ゆっくりと立たされた。

「そのまま、動くなよ?」

あの声が、耳元で囁くように聞こえると、
わたしの全身は途端に甘い鳥肌を立てた。
まるで声に、心臓をがばりと捕まれたようだ。
思わず胸の前で手を組み、祈るように佇んでいると、

「3」

どこからともなく、

「2」

カウントダウンの声が響いてきた。

「1」

―――その瞬間、視界がひらけた。
まぶしくて、何も見えない。

「0!!!」

ふわっと、花の香り。
これは・・・・・・バラ?
やっと取り戻した視界ではじめに見たものは、
視界いっぱいの真っ赤なバラの花束だった。

「・・・ゼルガディスさん!?」

顔を少し逸らして、王子様がお姫様にするように、
膝を立てて、その花束をわたしに向けていたのは、
わたしの密かな王子様だった。
だがその顔はバラと同色。

「・・・顔、まっかで」
「いいから!!受け取れ!!!」

皆まで言わせず、彼はやけくそのように吐き捨てた。
なぜ、彼がこんな柄にも無いことをしているのか、
全く状況がついていけないわたしに、
彼は強引に花束を持たせ、わたしの後ろに回り、
背中を軽く押した。
―――というかここは、屋上入口の、上?
そして、今度こそ息をのんだ――――――――――


H A P P Y  B・・・

「ハッピーバースデー!!!アメリア―――!!!」


わたしが文字を解釈する前に、
リナとガウリイさんの声が、答えを先にくれた。
そう、文字。
屋上入口の上から見えた風景。
それはカラースプレーでカラフルに、とっても綺麗に、
屋上のコンクリートに刻まれていた。

「あ・・・そうでした・・・」

そうなのだ。
わたしはどうも、自分の誕生日が覚えられない。
恐らく、というか確実なのだが、

―――わたしの母さんの命日、だからかな。

「母さんの命日」は決して忘れたことはない。
だけど、同時に「わたしの誕生日」でもある事実が、
わたしは未だに心の底では受け止めきれないでいる。
だから、自分の誕生日はいつも、
こうやって他人に言われないと思い出せないのだった。

小学生時代は、父さんと姉さんに、
中学からは、リナに――――――――

「今年も忘れてたわけー?ちったぁ成長しなさいよねっ!!」
「お前さんも大して成長してないじゃないか、特にむ」
「チェストッ!!!!」
「へぶわっ!!!」

リナにも、自分の誕生日が覚えられない理由は教えていない。
何故って、聞かれないから。
リナには多分理由なんて何だっていいんだと思う。
リナだったら恐らく、

「まぁいいや!今を生きろ!アメリア!!」

ほらね、そういうと思った。

「――――ありがとう、ございます。」

まだ少し赤い顔で後頭部をかいているゼルガディスさんに。
イエローの覆面をひらひらさせながら笑っているガウリイさんに。


そして、太陽のように眩しい、リナに――――

 


「って・・・!!屋上のコンクリにスプレーで・・・
 これ、どうするんですかぁっ!!?」
「このまんまでいいんじゃない?だって、よくできてるでしょ?」
「屋上もオレ達しかほぼ来ないんだし、いいんじゃないか?」
「よくないですよ!!一応学園所有物ですよ!?」
「ちっちっち・・・甘いわねアメリアちゃ~ん。
 このリナ=インバース、ちゃんと然るべき許可は、とってあるー!!」

ババンと出された一枚の紙。
そこには、「屋上使っていい?」というリナの字に、
赤い文字で、「存分に好きにせい!!」という父さんの字がかぶせてあった。

「・・・父さん・・・」
「ま、そういうわけだ。」
「じゃ!本日の主役が役目を知ったところで、
 これからご飯食べに行くわよ―――!!!」
「たーのしみだなぁー!!」
「あんたが楽しんでどうすんのよ!?」
「いーじゃんか!楽しいことは皆で楽しもうぜ!!」
「そうよリナ!楽しいことも辛いことも共有するのが、
 我らが正義の仲良し4人組ですよ!」
「・・・ずっと疑問に思っていたんだが、それ止めないか・・・?」
「何が問題なんですかっ!?
 わたし達は正真正銘の、正義の、仲良し4に」
「わかったから。ほらほら行くわよ!!」
「ったく・・・アメリア、それ持つ。」
「え?」
「花束。よこせ。」
「え、でも・・・」
「今日の主役さまだろ。そういうやつは手ぶらでいるもんだ。」
「・・・ありがとうございます。」
「いやんゼルちゃん、紳士だことv」
「やかましい。」


あれから。
バラの花束なんか持って闊歩してるもんだから、
目立って目立って・・・
女子生徒なんか特に、ゼルガディスさんの写メをとるのに余念がなかった。
・・・わたしも写メ、取りたかったな・・・
そのせいか、花束なんか持ってる原因を何人かに問い詰められ、
思いがけず、たくさんの人がわたしの誕生日を祝ってくれた。

そして、食事をしに行くと言ったくせに辿り着いたのはわたしの家。
そこでは既にパーティーの準備が整っていて、
忙しいはずの父さんも、この日のために頑張ってくれたことがとても嬉しかった。
あれもそれもどれもこれも、全てリナのプロデュース。

「リーナ?」
「あによ?」
「リナって本当、わたしのこと好きよね?」
「なっ、何言ってんのよいきなり!!」
「だって、毎年こうやって誕生日祝ってくれるじゃないですか。」
「それは!・・・あんたが誕生日忘れてるから、
 思い出させてあげてるんでしょう?」
「じゃぁ、わたしがちゃんと誕生日覚えてたら、もうやらないの?」
「~~~っ、そんなこと、ないけど・・・何よ、悪い!?」
「ふふふ、リナ?」
「だから!!何よ!!」
「ありがとう!!大好きよ!!」

そういって、正面からリナを抱きしめる。
なんだなんだと言いながらも、
「・・・あたしもじゃ!」と言いながら、リナは照れたように笑った。
その顔も、やっぱりあの時から全然変わっていなかった。


どうやら、わたしは本当に力がある人に惹かれるらしい。
リナはその、最なる者だろう。
ただ力が強いから、頭がいいから、そんなんじゃない。
あんな乱暴で破天荒でトラブルメーカーなのに、
何故だか周りに人が集まる、そんな力のある人。

気づきにくいけど、誰よりも優しいからこそ、惹かれる。
大いなる能力の上にのる優しさがあるから、
彼女はリナ=インバースでいられるんだと思う。


そんな彼女が――――わたしの一番の心友なのだ。

 

 

 

 

「・・・なぁゼル?」
「・・・・・・・・・なんだ。」
「オレ、究極のライバルは、アメリアなんじゃないかって思うんだ・・・」
「・・・奇遇だな、おれもお前と真逆の同じことを考えていたところだ。」
「誕生日、祝ってもらえて一番嬉しいと思うのがリナだって思ってる限り、
 アメリアと進展せんだろうな、ゼル?」
「お前こそ・・・リナの「好き」がガウリイに対してもアメリアに対しても、
 同じである限り、進展せんだろうなぁ、ガウリイ?」
「・・・」
「・・・」
「「自信ねー・・・」」



 

PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
カレンダー
02 2024/03 04
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31
フリーエリア
カウンター
忍者ブログ [PR]

Template by wolke4/Photo by 0501